理想の葬儀

 たまたま三人の人から同じ話題を聞いた。それも五十代の女性からばかりである。
その内容は死んだ後は遺骨を墓に入れずに海にでも流してくれないかなというものであった。話した本人ではなく夫がそう言っていたとか、結局は墓に入るのだろうけどと前置きしてから話していたが聞いていて面白いと思った。
 というのも前にやはりハリーポッターの日本語版の訳者が夫の遺言で遺骨を世界各地の綺麗なところに撒いているという話を聞いたからである。まったく違う世界にいる翻訳者と似たようなことを案外身近な人が考えているものである。


 以前新聞の意識調査で団塊の世代は親族との調整を大事にする傾向が強いとでていた。しかし自分の墓の管理を子孫に任せたり、先祖のしがらみのあるお墓に入るよりは自由な海いいのだろうか。
結局はお墓の下に収まっているのかもしれないが、身近の人の発言からそんな風に思った。