続・古本屋

 ときどき古本屋中毒が出ることがある。古本の少し黴た臭いを嗅がないと頭の中の古本黴濃度が下がって、
精神が清浄に成りすぎてどうも生きにくくなるのである。そのような訳で今日も臭いを嗅ぎに行ってきた。
 今日訪れたのは以前の日記にも少し書いた古本屋で『明らかにマンガ好きのオーラを放っている店員』がいると書いたところである。
小説を少し買ってからアフターヌーンの『なるたる』と『ヨコハマ買出し紀行』をの場所を例の店員さんに聞いてみた。
なるたる』は少々高かったが前に集めようとして挫折したので少しづつ集めていくことにして一冊買った。
 ところで私が『なるたる』を買ったときに店員さんの書評は「絵がかわいいと思ってうっかり買うと失敗するマンガ」であった。
それを受けて私もそうだなと思った。店員さんの書評と私の実感とで気脈が通じたので他のマンガについて色々聞いてみた。
 そうこう話していくうちに雑誌の話になった。彼によると人となりも大体購読している雑誌でわかるそうである。
少し付け加えると彼は以前『知っているマンガで相手の年がだいたいわかる』ともいっていたので下手な精神分析よりも面白いな、と思って聞いていた。
そのときに私が挙げた雑誌は以下の四つである、すなわちアフターヌーン、ビーム、電撃大王、ガロである。
その返答は以下のようなものである。
   アフターヌーン 「案外普通」
   ビーム     「初めはとっつき難いけど良いひと」
   電撃大王    「電撃大王好き = 女性との良好な関係との断絶」
   ガロ      「代表作を描く前のピカソの絵のようでメッセージが読み取れない」
 この話をしたときには伏せたトランプのカードのように、私がどの雑誌をひいきしているのか伝えていなかったのでこれらは彼の正直な感想であったと思う。
これを受けて私の感想は「一番ひいきの雑誌が『電撃大王』でなくてよかった」である。
 おもしろかったのでまた行こう。