古本少々と夕食づくり

 日々の日記の題名が変わったからといって
殊更に何か新しいことがあるわけではない。
 せいぜい平穏に倦まずに過ぎる日の
些細なことを書いていくのが大切だと思う。

 
 新しく出来た古本屋へ行く。
一番の掘り出しものは
ちくま日本文学全集 芥川龍之介』(100円)である。
 目次を見ると収録された小説はほとんど読んでいるが
一冊に表題作がコンパクトに収まっているので鞄に忍ばせる
のにぴったりである。

 
 そういえば新規開店ということでカウンターが混んでいたが
並んでいるときに、やにやとしていなかったかどうか少し気になる。
目次を見ると晩年の作品が多く選ばれていたので
三島由紀夫が「芥川の疲弊した後期の作品はつまらない
それよりも中期の『花火』のほうが好きだ」と言っていたので
「『花火』が取り上げられずに残念でしたねぇ三島さん」
とにやにやしていたのである。


 掲載されていた作品で一番読み込んでいる作品は『河童』である。
おそらく2、30回は読んでいる。魅力は陰惨な会話の中でみせる
河童達の愛嬌である。

 作中人物(作中河童?)のマッグの言葉をいくつか抜粋してみる。


 阿呆はいつも彼以外のものを阿呆であると信じている。
            ×
 我々の自然を愛するのは自然は我々を憎んだり嫉妬したり
しないためもないことはない。
            ×
 幸福は苦痛を伴い、平和は倦怠を伴うとすれば、――?

 といった感じである。未読のかたは是非に。


 夕食の担当になったので本屋の帰りに食材を買って、
 鶏肉の笹身梅肉包み揚げ
 薬味だらけの中華スープ
 海草サラダを作る

 うまがられて、嬉しい。
 今度は豚肉で包んで揚げてみようと思う。
 また薬味スープに旨みが足りないので肉類を入れるのと
 薬味を刻まずに大きなままで入れたらスッキリと飲めるのでは
 ないだろうかと思案している。

 きょうの午後は遊んでしまったので明日はまじめに勉強しよう。