日記

愛車のカブ90の調子が悪かったので、近くのバイク屋で見てもらおうと思った。不調子ながらもバイクに無理をさせてバイク屋に向かった。しかし田舎なので道中が長く、途中でエンジンストップしてしまった。ガタガタと今にも止まりそうな車上で思ったのは、日常的に使うものを大切にしていていくら整備していても、道具全体にしても一部分にしても寿命というものがあるので、どんなに人間さまの状況が鬼気迫ろうが、駄目なときは駄目だということである。ものの寿命に情はない。
バイクが押せど戻せどかからなくなったので遂に押して工場まで持っていくことになった。バイクが事切れる前に、寿命なのでいくらエンジンをかけても駄目と割り切れたので、案外、道半ばの道中もさばさばと押していけた。
そういえば昔マラソンを自発的にやっていて、体調の悪いときに今日は悪いから悪いなりに走ろうとギアを入れ替えていた。こうすると完走が目的なら上手くいくことが多かった。押している最中に車上での諦めはこれと感覚が少し似ているかな、いや人の体は無理をすれば無理が通るときがあるから違うかな、などとぼんやりしていたら気がつくと工場についていた。
神経質にならない単純作業には、ぼんやりするのが一番である。