ギリシア悲劇

 恩師が遊びに来いというので二つ返事で行くことになった。
遊びにいく街にはしっかりした図書館があって、
そこから「ギリシア悲劇」を借りてるので目下時間を割いて読んでいる。
その中の一節

 悩みによって学ぶことこそ、
 この世の掟と定めた給うて、
 人間を思い慮(はか)りに導いた御神なれば。
 されば眠りに代えて心の前に、疼く痛みを
 忘れもやらぬ、悩みこそ、血をしたたらせ、
 望まぬとてもおのずから、慮(おもんばか)りをもたらすもの。
 たぶんは尊い舵をお取りに神の、
 力ずくの情けであらうが。

            アイキュロス「アガメムノン

 悩みによって学ぶことは、ままあるのだけど、それを力づくの情けとすると
 定めもちょっとありがたくなる。