鼻がつまっていたが手術にはけっこうなお金と時間がかかるので、市販の噴霧薬でしばらく様子をみることにしてみた。市販の噴霧薬は鼻の穴に垂直に突っ込み、鼻の中で霧状に薬を塗布してくれるスグレモノであった。
最初の一週間ほどは良く効いた。本当にかすかではあったが珈琲や柑橘類の匂いがわかるようになって嬉しかった。しかしそのうちに効きすぎた反動で鼻の中のポリープがさらに腫れた状態になった。基本的に鼻呼吸しかしないので、深夜呼吸困難で嫌な夢をみた後に起きることが度々あった。さらに日中でも急に鼻に圧迫を覚えて呼吸ができず、その度に薬のお世話になって、薬の間隔がどんどんと短くなっていった。
薬づけでは不味いと思いだし、空になった噴霧器に水や生理食塩水をいれて薬以外のもので鼻を洗浄し始めた。そのうちに友達からもらった「最近のひろし」という漫画の中で花粉症対策として、洗面器に水を張ってそれに顔をつけ、鼻で水を飲んで口から吐き出すという技が紹介されていたので試してみた。効果はあった、この技をやった後に薬を使うと夜中に息苦しくなることがグッと減った。さらに鼻の中に黒い芥子粒の様な、蛙の卵のような黒い粒粒が吐き出された水の中に見られるようになってきた。恐らく鼻の中に吸い込まれて、外に出されずどんどん溜まっていったホコリなどであろう。あまり大量に蛙の卵状のものがでるので、これでは息苦しくもなるな、と我がことながら納得した。
しかし洗面器作戦にも落とし穴があり、水で洗浄し過ぎると鼻血がでるということであった。洗面器で水を飲んでいると水がみるみると赤くなり作戦中止ということが度々起こるようになった。
ここで医者にかかったときに喉がまったくやられていないことに、診察する医者診察する医者が怪訝な顔をしているのを思い出した。鼻がやられるとまず喉にも影響がでるらしい。しかし私の場合、お茶や珈琲をよく飲むので喉の調子が悪くなったことは久しくない。と、ここまで考えて噴霧器に濃い目のお茶をいれて試してみた。すると、薬の量が減り、洗面器の技も回数が減って鼻血の憂き目にも逢わなくなった。というわけで今のところ調子は良くなってきている様である。
しかし所詮は素人療法なので時間が出来たら、ちゃんと治療しようとも思っている。