へたなプロよりも

日曜日に師匠のところに行って珈琲の講義を受けてきた。内容は主に焙煎とドリップの二つであった。焙煎についてはまったくの素人なのでただ教わったという感じであったが、ドリップは数年やってきたので少しはできると思っていた。
ドリップの技術の結果からいうと自己採点で55点ぐらいだと思う。というのもドリップに必要な技術には豆を膨らませる、抽出することの二つが重要なのであるが抽出の部分の肝心な要素が抜け落ちたまま淹れていたので、折角のエキスをだいぶ無駄にしていたようである。
マスターの話によると肝心な要素というのは香水のエキスを取り出す場合には水蒸気をあてて香気を抽出するそうである。それと同じように珈琲のエキスを取り出す場合にも、豆を膨らませたときの内部はなるべく水蒸気をあてて、そのエキスのしみ込んだ水蒸気を抽出するときにはなるべく少量のお湯にゆっくり溶かして落とすのがコツだそうである。
私のドリップが安定していないのはネルと豆の中を想像しながら淹れていなかったことに尽きる。考えながら淹れると動きがぎこちなくなり、ポイントだけ抑えて淹れるとポイント以外手順が安定しない、結局豆のあわ立ち方や取っ手の熱伝道から、膨らんでいる豆の内部をマスターのいった水蒸気を軸に想像しながら入れてみるとよいということがわかった。
マスターの指導を受ける前に我流でドリップして見せたのだが感想が「へたなプロよりも巧い」であったが、つまりそれは十分に抽出できていないということなので並みの「プロ並に巧い」言われるようになりたいと思う。